オーブはただのホコリ?デジタルカメラのいたずら?
肉眼では見えていない小さな光の球が写真や映像に写っているものを、一般に「オーブ」、日本では「玉響(たまゆら)現象」と呼び、心霊現象のひとつではないかとされています。
このオーブが写るという現象、つまりは写真や映像が身近にあることにより見られる現象というわけで、もちろん写真が発明される以前にはそれを一般に見ることはなかったものです。
特に携帯やスマホが普及し、誰でも普通にデジタルカメラで写真や映像を撮影する現在、オーブとされるもののほとんどは、このデジタルカメラが発生させている現象なのではないか、という説があります。
オーブは空中のホコリや塵?
デジタルカメラでの撮影で“オーブ的”なものが写る現象として、代表的なものに2つの理由があります。
フラッシュ撮影で写るオーブ
これは、空中に舞っているホコリや塵がカメラのフラッシュの光を反射して、空中に光の球が浮かんでいるように写るものです。
被写体よりもカメラに近い位置に飛んでいるホコリや塵、特に至近距離にあるものはフラッシュの光を反射して、その光がカメラのレンズに戻って来るものがあります。
至近距離にある小さなホコリや塵の光の反射なので、当然それはピンボケで写ることになり、画像では空中に光の球が浮かんでいるように見える、というわけです。暗い空間で映写機やプロジェクターが投影する強い光の部分に、キラキラとホコリや塵が見えるのと原理は同じです。
室内はもちろん、屋外でもホコリや塵の多い場所や陰影のある空間などで、勝手にフラッシュが焚かれてしまい、あとから画像を見たら“オーブ的”なものが写っていた、ということのようです。特にコンパクトカメラで撮影すると、フラッシュとレンズの位置が近いことから、この現象が起きやすいのだそうです。
スマホのデジタルカメラ特有の現象でオーブが増えた?
もうひとつの理由としては、デジタルカメラのレンズの表面や撮影する画像を捉えるCCD(撮像素子)の表面で発生する内面反射という光の反射によるもの。またはレンズ表面についている塵によるものです。
内面反射の場合は、撮影した画像に光の帯やぼんやりとした白っぽいものが写り込みます。これは、カメラがなるべく反射を抑えるように設計されていても、画面内に極端に強い光があったり、暗い画面のなかに明るいポイントがあったりする場合に起こりやすく、またデジタルカメラの内部にCCDという平たい面があることによって、この現象が起こりやすくなっているものです。
スマホなどのカメラレンズでは、一眼レフカメラのレンズと比べて反射対策があまり良くなく、反射の影響で空などを撮影すると緑色の“オーブ的”なものが写りやすいそうです。
またスマホに内蔵されているCCDは、きわめて小型なことからピントが合う範囲である被写界深度が深くなり、レンズの表面に付着している塵が“オーブ的”なもののように写ることが多いということです。
このようにデジタルカメラ、それも携帯やスマホのカメラによる撮影が身近になったことから、オーブ画像が増えたということなのかも知れません。