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エクトプラズムはなぜ出現するのか。超能力?物質?

エクトプラズム

心霊現象で現れる謎の物質「エクトプラズム(ectplasm)」は、19世紀末から20世紀初頭にかけて多くの科学者や心霊研究家によって実験や研究が行われましたが、結局は多くのことは判らず謎のままでした。そしてその正体や出現のメカニズムは未解明のまま、いくつかの仮説を生むことになります。

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エクトプラズム=霊の物質化媒体説

カナダの心霊研究家グレン・ハミルトンらの説によると、エクトプラズムとは人間が誰でも持っている身体の構成要素のひとつなのだといいます。そして、死後霊が現世の人間とコミュニケーションをとる際に、エクトプラズムを用いて失った肉体の姿を再現するのだという説を唱えました。

この説によれば、エクトプラズムを出現させる物理霊媒とは別の人格の霊が、霊媒の潜在意識に働きかけて自分の姿を物質化させているのではないか、ということです。

一方で、フランスの心霊研究家ギュスターヴ・ジュレは、霊媒から出る何か無意識の力が作用して物質化現象が起きると説明しましたが、その無意識の力がなぜ作用するのか、どのようなメカニズムで作用するのかまでは説明されませんでした。

ちなみにギュスターヴ・ジュレは、エクトプラズムの命名者である1913年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランス人生理学者のシャルル・ロベール・リシェとともに、1920年代にエクトプラズムなど物質化現象の広範囲な調査を行ったことで知られています。

 

 

エクトプラズムは霊媒の超能力が出現させるもの!?

エクトプラズムなどの心霊現象に大きな関心が集まったのと同じ頃の1910年、日本の心理学者である福来友吉博士が透視能力を持つとされた御船千鶴子と長尾郁子の透視実験によって発見したのが、「念写」と呼ばれる現象でした。

念写とはつまり、心のなかに思い浮かべたあるものを心の未知の力によって写真フィルムに感光させ、そのイメージを写真に写し出す現象です。この念写のように、心のなかで描かれたイメージされたものが、写真のような実際の何かに物質化したものは「思念造形物」と呼ばれました。

この考え方は、人間の思念の力には心のなかのイメージを直接的に物質世界に投影して、何らかのかたちで造形することができる未知のマインドパワーがある、というものです。

エクトプラズムは超能力?

この考え方から、エクトプラズムとは思念が物質させた造形物であり、エクトプラズムを出現させる物理霊媒には思念の力で何らかのイメージを物質化させる能力がある、という説も生まれました。

この説はつまり、エクトプラズムは霊媒とは別の人格の死後霊といったものを実体化させるものではなく、霊媒自身が思念の力によって作り出しているものだというものです。それは心霊現象というよりは、サイキックパワーつまり超能力と言った方が良いものなのでしょうか。

エクトプラズムはこのように、心霊現象と超能力現象との間で様々な説が出されながらも、そのどれも定説とはなりませんでした。

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