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著名な科学者たちが研究したエクトプラズムの心霊現象

エクトプラズム

「物質化現象」とは、何らかのかたちの物質を媒体として霊と考えられるものが具体的に現れる、物理的な心霊現象です。この心霊現象で知られた20世紀初頭の物理霊媒エヴァ・カリエールは、当時頻繁に行われた交霊会や実験で物質化現象を起こしました。

アルベルト・フォン・シュレンク=ノッチング男爵が1913年5月19日に行った実験で現れた“ドルスミカ”という人物の全身が現れる「全身物理化現象」をはじめ、多くの交霊会や実験で白い塊やゼリー状のものが人間の顔や手足のかたちとなって動き回る、といった現象を起こしたそうです。

このエヴァが起こした現象で現れたものは、謎の物質「エクトプラズム(ectplasm)」と呼ばれるようになりました。

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キュリー夫人も心霊現象の実験に立ち会っていた

エクトプラズムという名称は、ギリシャ語で「外部」を意味する「ecto」と「作られたもの」を意味する「prasma」を組み合せた造語で、1913年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランス人生理学者のシャルル・ロベール・リシェにより1893年に命名されたものです。

別名で「テレプラズム(teleplasm)」とか「サイコプラズム(psychoplasm)」などとも呼ばれます。

命名者のシャルル・リシェーがノーベル賞を受賞するような著名な科学者であったように、当時このエクトプラズムをはじめとした心霊現象は、科学者が実験や研究の対象とする現象だったのです。

心霊が起こす物理的な現象として代表的な「ポルターガイスト現象」を世界的に有名にした、アメリカの「ハイズヴィル事件」が起きたのが1848年。
このハイズヴィル事件をきっかけに欧米では交霊会や心理現象実験が盛んに行われ、多くの科学者も関心を持ちその解明に挑みました。

例えば当時の著名な霊媒で、本物かインチキかで多くの物議をかもしたエウサビア・パラディーノを被験者とした心霊現象実験には、あの女性初のノーベル賞受賞者キュリー夫人も立ち会っています。

 

 

多くの科学者たちが心霊現象に関心を寄せた時代

キュリー夫人については、夫で物理科学者のピエール・キュリーが心霊現象に対する支持者であり、夫妻とも心霊現象に対して大きな関心を持っていたようです。

19世紀末から20世紀の初頭にかけて物理学をはじめとした科学は新しい時代を迎え、原子物理学の扉が開かれた頃です。1895年にはウィルヘルム・レントゲンがX線を発見し、キュリー夫妻は放射線の研究で知られています。また理論物理学で革新的なアルベルト・アインシュタインの特殊相対性理論は1905年に発表されました。

現在では、心霊現象が著名な科学者による研究対象であったことはあまり知られていませんが、このキュリー夫妻や元素タリウムの発見で知られるウィリアム・クルックス、磁気現象の研究で著名なルイ・ジョルジュ・グーイなど多くの科学者が心霊現象の科学的研究に参加しています。
このようななかで、謎の物質化現象であるエクトプラズムも科学者たちの研究対象となったわけです。

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