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エクトプラズムとは?霊媒エヴァが起こした物理化現象

エクトプラズム

1913年5月19日。フランスの首都パリで行われた実験で、誰もが驚く心霊現象が起こりました。
実験の被験者は、当時史上最高の物理霊媒と呼ばれたエヴァ・カリエールという女性。物理霊媒というのは、特別の能力がない人にも見たり聞いたりすることのできる、物理的な心霊現象を起こす能力を持った霊媒のことです。

ドイツ人精神科医で心霊現象の科学的研究を行っているアルベルト・フォン・シュレンク=ノッチング男爵が主宰者となり、エヴァの養母で心霊研究家でもあるフランス人のジュリエット・ビッソンが立会人となってこの実験が行われました。

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エヴァの心霊現象実験が始まる

内側から施錠された実験室。エヴァは、身体の隅々までトリックを行うような物がないか検査され、何も身につけずに黒い実験用の服を着ます。

実験が行われる黒いカーテンで仕切られた小さな暗室には6個の赤色灯の照明が灯され、当時としては高性能の数台のカメラが、エヴァを様々な角度から撮影できるように用意されました。

ちなみに19世紀に発明された写真とカメラは、写真フィルムの発明を経て20世紀初頭には一般に売られるようになり、1925年にはその後に一般的となる35mmフィルムのライカカメラが販売されます。

さて、すべての検査を終えたエヴァがこの暗室に入ると、ジュリエット・ビッソンがエヴァを催眠に導きます。やがてエヴァはトランス状態に入り、小さくうめき声を発し始めました。そしてそのうめき声は徐々に大きくなり、身体をよじるような動作を激しく行うようになりました。

 

 

全身物理化現象を起こしたエクトプラズム

エヴァが催眠状態に入ってから30分後、彼女の顔の右横に突如、白く光る小さな塊がどこからともなく出現します。

エヴァは椅子から立ち上がり、そして激しく身を震わせて椅子に倒れ込みます。ノッチングとビッソンがエヴァを抑えるため手をつかもうとしたとき、エヴァの左腕の上に大きな白い塊が出現し、上へと移動し始めました。

やがてエヴァは立ち上がり暗室の右隅に行きます。ビッソンの手を取って引っぱり上下に動かしていたエヴァが手を離すと、右側にあった暗室を囲むカーテンをつかんで「彼が見えるわ」と言います。そして、エヴァがカーテンを開け始めました。

すると、エヴァの背後には明瞭な輪郭のある、白衣を着た男性が立っていました。ビッソンがその男性の姿を認め、ノッチングもその姿を確認します。この白衣の男性は、以前にもエヴァが呼び出したことのある“ドルスミカ”という人物の「全身物理化現象」でした。

ノッチングが写真を撮影しようとフラッシュを焚いた瞬間、その“ドルスミカ”は煙のように消え去ってしまいました。
この実験でどこからともなく現れた白い塊、そして全身物理化現象を作り出したものは、当時、謎の物質とされ「エクトプラズム」と呼ばれることになったものだったのです。

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