イルミナティカードの絵柄に隠されたのは事件?デマ?
「世界を裏で操り、数々の大事件を起こしている」との都市伝説を持ち、イルミナティという秘密結社の名称を由来としているイルミナティというカードゲームは、絵札に描かれた絵柄が、後に起こった数々の大事件に酷似しているため、イルミナティという団体自体は18世紀には活動を停止してしまっているにもかかわらず、今も変わらず世界秩序を作っているのではないか、といわれ続けています。
この噂が消えない背景には、ゲームのリリース当時に、既に起こっていた過去の事件も絵柄に含んでいることもありました。
「18分半の差」というカード
1972年にアメリカで起こった「ウォーターゲート事件」は、「18分半の差」というカードで表現されています。
このカード名称は、当時のアメリカ大統領であったニクソンが、自身が潔白である証拠として提出したテープの中に、18分半消失している部分があったことに由来しています。
消去部分について、発表当初は「誤って消したもの」との説明がありましたが、後の鑑定の結果、故意に消去したことが判明し、世間の疑惑を呼んだばかりか、違法行為として取り扱われ、大統領失脚にもつながった大事件です。
こういった事件性のある絵柄を数多く使用していることから、まだ発生していない絵柄が、「これから起こるであろう事件をあらわしているのではないか」と言われるようになったのです。
「アルビノ・アリゲーター」は単なる都市伝説
イルミナティカードは、過去の大事件や予言めいた内容を数多く含んでいるといわれているのですが、一方で「完全にデマ」または「単なる都市伝説」であったことが判明している内容も含んでいます。
たとえば「アルビノ・アリゲーター」というカードに描かれている白いワニは、1930年代にアメリカで大流行した都市伝説に端を発していますが、まったくのデマであることが判明しています。
「フロリダで捕獲され、ニューヨークのペットショップで売られたワニが、とある家庭でペットとして飼われていたが、凶暴かつ大きくなりすぎて脱走して下水道に逃げ込み、さらに巨大化して体も白く変色して、何十年も下水道の中で生き続けている」というストーリーなのですが、当時は新聞にも掲載されるほど話題になったそうです。
いかにも恐竜や怪獣関係のフィクションにありがちなストーリーであり、実話というには稚拙な都市伝説そのものなのですが、こういったあからさまなフィクションを含んでいるが故に、逆に不気味さを増しているカードも多数存在しているのです。