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ポルターガイスト最古の記録?英国テッドワースでの事例とは

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「ポルターガイスト」の最も古い記録とされるのは、1661年にイギリスのテッドワースで起きた「ポルターガイスト現象」なのだそうです。

17世紀のことですから、それほど古いものであるというわけではありませんね。日本で言えば江戸時代の初期、第四代将軍・家綱の頃。イギリスでは、チャールズ2世のイングランド王政復古の時代です。

テッドワースのポルターガイスト、それはどんな現象だったのでしょうか。

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モンペッソン判事の屋敷に起きたポルターガイスト現象

1661年の3月、イギリス・イングランド南部のウィルトシャー州テッドワースの地方判事をしていたジョン・モンペッソンという人が、ジョン・ドゥルリーという浮浪者の男を逮捕しました。

このジョン・ドゥルリーは、大きな太鼓を背負って道を歩きながらその太鼓を叩いていたのだそうです。あちこちを放浪しながら太鼓を叩いて歩き、人びとから施しを求めていたわけですが、その騒音が多くの迷惑を起こしていたことから、モンペッソン判事はこのドゥルリーを捕まえて監禁し太鼓も押収してしまいました。しかしドゥルリーはすぐに逃亡してしまったのです。

4月になったある日、モンペッソン判事がロンドンへの出張から自分の屋敷に帰って来ると、彼の留守中に異常な騒音に悩まされていたということを妻から聞かされます。そしてモンペッソン自身も、やがてその騒音を聞くことになりました。

それは、部屋のドアをノックする音や壁を叩く音のように聞こえます。モンペッソンが銃を持ち出して身構えると、その音はさらに大きくなり太鼓を叩くような騒音になりました。

 

ますますひどくなるポルターガイスト

それから2年間にわたり、モンペッソンの屋敷では太鼓を叩くような轟音に悩まされ続けたそうです。それ以上に、ベッドの枠を叩く、椅子が歩き出す、子供たちの靴が頭上を飛び交う、部屋に置いてある物が部屋中を動き回る、といった物理現象も起きるようになりました。まさにポルターガイスト現象です。これらの現象は、主に7歳と11歳の2人の娘の部屋を中心に起きていました。

そしてさらには、誰かのあえぐ声やベッドをひっかく音が聞こえたり、灰や排泄物が部屋の中に撒き散らかされ、鼻をつくような悪臭が充満するなどのひどい現象も起きるようになります。

この怪異現象はあっという間にイングランド中に広まり、王室にまでそのウワサが届くと、王室の調査官が派遣されて来ました。しかし調査官がいる間は何も起こらず、彼らが変えると再び現象が起きたのでした。

 

ポルターガイストは魔術による悪魔のしわざ!?

そしてある日、屋敷の使用人がベッドの側にギラギラと光る目をした巨体の悪魔が立っているのを目撃します。この悪魔による現象こそが、かつてモンペッソンが逮捕して逃亡した太鼓叩きのジョン・ドゥルリーのしわざだったのです。

ドゥルリーは、じつはグロスターの刑務所に収監されていました。ドゥルリーが、テッドワースの怪異現象は自分がやっていたのだと面会に来た仲間に話すと、彼は妖術をかけた罪により流刑となり、モンペッソンの屋敷も静かになりました。

このようにテッドワースのポルターガイスト現象は、魔術使いによる悪魔が起こした現象とされていたようで、決してその屋敷に棲みついた幽霊によるものではなかったのでした。

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