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アーサー王の伝説の地、魔法の島アヴァロン

アーサー王

アーサー王の終焉の地として知られるのが「アヴァロン」です。
アヴァロンとは、反乱を起こした甥(または息子)のモルドレッドを打破り、自らも瀕死の重傷を負ったアーサー王が復活の日まで眠るとされる魔法の島のことです。

このアヴァロンもアーサー王の居城キャメロットと並んで、アーサー王の伝説を追い求める人たちが探し続けて来ました。

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傷ついたアーサー王をアヴァロンへ運んだ乙女

モルドレッドと戦ったアーサー王は、とても深い傷を負い倒れてしまいます。その王をアヴァロンまで運んだのは、伝説や物語によって異なりますがアヴァロンを治める9人の聖女、あるいは3人の湖の乙女、またはアーサー王の異父姉で魔女でもあったモーガン・ル・フェイでした。

12世紀にアーサー王の伝説が記された「ブリタニア列王史」を著したジェフリー・オブ・モンマスが書いた別の著作「マーリンの生涯」によると、9人の聖女は姉妹でアヴァロンを統治し、モーガン・ル・フェイはその筆頭とされています。彼女は多くの知識を持ち医術にも優れ、変形の術も使えたとされています。

古代のケルトでは3という数字は聖なる数字であり、3が3つある9は究極を表す数字でした。その9人の聖女の筆頭のモーガンはケルト神話の女神モリガンと同一視されます。

しかし後の15世紀にまとめられたアーサー王の長編物語「アーサー王の死」では、モーガン・ル・フェイは邪悪な魔女とされてしまうのは、中世という時代背景が影響したのかも知れません。

 

 

湖の乙女とエクスカリバー

一方で3人の湖の乙女とは、元はいわゆる水の妖精ですが、後に湖の中に住む美しく高貴な魔女とされるようになりました。

「アーサー王の死」の物語では、ペリノア王との戦いに敗れ剣を折られたアーサー王に、湖の乙女が2本目のエクスカリバーを授けます。そしてアーサー王の最期では、ヴィヴィアンとニミュエという湖の乙女とモーガン・ル・フェイがアーサーを舟に乗せてアヴァロンへと運んで行きます。

また聖剣エクスカリバーは、最期を予感した王に命ぜられ円卓の騎士グリフレットによって魔法の湖に投げ入れられ、湖の乙女へと返されたのでした。
このエクスカリバーが投げ入れられたアヴァロンの湖は、もちろんその所在は不明ですが、現在でもアヴァロンの場所の手がかりとして探し求められています。

 

 

アーサー王の終焉の地は深い謎のなかにある

1136年頃に「ブリタニア列王史」書かれたあとの1191年、イングランド南西部のサマセット州のグラストンベリーにある修道院でアーサー王の墓が発見されたという発表がありました。同じグラストンベリーの「カドベリー城」はアーサー王の居城キャメロットの候補地ともされています。

当時の著述によると、修道院の墓の探索によって同じ巨大な棺の中に納められた2体の遺骨が発見され、置かれていた敷石の裏側には鉛製の十字架が貼付けられていて、そこには「ここにアヴァロンの島で有名なアーサー王が、第2の妻ウェネヴェレイア(グウィネヴィア)と共に横たわる」とラテン語で記されていたそうです。

しかしこの墓は、現在では偽物ではないかと考えられています。当時、グラストンベリー修道院は火災に遭い修復の資金調達のためであるとか、修道院の格を上げるためにアーサー王とアヴァロンの伝説を利用したのでは、といった理由があげられています。

このグラストンベリーのほかにもアヴァロンとされる場所はいくつかありますが、それを確かめるのはキャメロット以上に難しいのかも知れません。

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