ストーンヘンジとアーサー王伝説の関係性
日本で一般的に認知されている「イギリス」といえば、ユナイテッド・キングダム(UK)、イングランドなど、ひとつの国としてとらえられているかと思いますが、実際のイギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの地域(「カントリー」と呼ばれています)から構成されています。
このため、イギリスとは正式には「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」または「構成国」です。
ここにある世界遺産であるストーンヘンジは、4つのカントリーのうち、イングランドとウェールズとの結びつきが強く、この地域で古くから伝わる「アーサー王伝説」にも関係しています。
アーサー王伝説とは
アーサー王とは、5世紀後半から6世紀にかけて、今のイギリスの構成国や近隣国、具体的にはブリテン、アイルランド、ノルウェー、フランス(当時のガリア)、アイスランドなどをまたがるような大帝国を築いた人物として、現代に伝わっています。
アーサー王自身は、前ローマ時代にブリテン島に定住していたというケルト系民族であるブリトン人であった、といわれていますが、アーサー王伝説に関する最古の資料としては、「ブリトン人の歴史」という5世紀頃に著された歴史書が存在しています。
この資料をベースに、あわせて「カンブリア年代記」や「ブリタニアの略奪と征服」、「ア・ゴドジン」などの著書や詩集に受け継がれ、主に民間伝承で現代にまで伝えられてきました。
後年は創作も多数加えられている
しかしアーサー王が、実在の人物であったか否かについては、議論の余地は大いにあります。
なぜならば、最初の著書が上梓されて以降、超人間的な活躍を描いた創作物語が、元となった歴史書のエピソードに、いくつも付け加えられているからです。
12世紀に著された「ブリタニア列王史」では、超自然的な描写や、魔法を駆使するアーサー王の姿も描かれており、もはや物語上の、生身の人間を超えたヒーローとして取り扱われていて、アーサー王の「人間としての実態」が見えにくいばかりか、あまりにも突飛でな実在の人ヒーロー然とした物語性の強いキャラクターに変化していったことで、実在の人物であったか否かをも、議論の対象となっているのが現状です。
イギリスはソールズベリーのストーンヘンジは、アーサー王伝説を背景に、謎を帯びた存在として語り継がれているのですが、ストーンヘンジの謎とアーサー王伝説の謎は、関係性を持っている可能性がありそうです。