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パワースポットにまつわる物語「斎場御嶽」(沖縄県南城市)

琉球王朝の時代より、信仰の聖域として、祭政一致体制の祈りや祭祀が行われていた場所が御嶽(うたき)です。

 

斎場御嶽

 

女性のみが神に仕えることができるとされた琉球信仰において、御嶽内は男子禁制とされ、今なお崇拝され続けている聖地が琉球開闢七御嶽です。
今では、ほとんどの御嶽では観光客が招かれ、男子禁制も解かれていますが、琉球においてその信仰は根強く残されています。

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最も大切にされている斎場御嶽(せいふぁーうたき)

琉球の祖アマミキヨによってつくられたとされる9つの聖地のうちの7つを七御嶽とされ、そのもっとも崇高な位置で最高の聖地とされたのが、斎場御嶽なのです。

琉球王国の中で、国王に継ぐ権力を持ち、国王の親族から選ばれ、神の声を聞くことができる、霊力(セジ)高さの最高峰とされた聞得大君の就任式もまた、この斎場御嶽で行われました。
それほど、王朝時代において、この場所が特別な御嶽であったのです。

この最高の聖域の中には、琉球の祖アマミキヨが初めて降り立ったとされる久高島の白砂が敷き詰められ、今も、地元の人の参拝の場となっています。

 

 

斎場御嶽に男性が入るのは大変だった?

今でこそ、男性も入れるその聖域も、昔は国王ですら、御嶽に上がる前には御門口にて袂の合わせを女装に直してからでないと入れませんでした。
聞得大君、神女こそが入ることができたとされる御嶽斎場は、その最高の聖地である威厳を感じさせるたたずまいを今日も残しています。

 

 

斎場御嶽の中をご紹介

庶民や国王ですら簡単に入ることができなかった最高位を誇っていた御嶽、そこに足を踏み入れるとき御門口あたりから空気が変わるのがわかります。

石畳を一歩ずつ登るごとに、自分が今どこに行こうとしているのかを問われているような神聖な錯覚を覚えることでしょう。
南国の暑さでかいた汗も中に入るにしたがって、すがすがしい涼しさになってきます。

 

徐々に入っていけば、大庫理(うふぐーい)と呼ばれる拝所、寄満(ゆいんち)と呼ばれる台所、そして、三庫理(さんぐーい)と呼ばれる巨大な鍾乳石にたどり着きます。

御嶽の奥にある三庫理は、二体の鍾乳石でできた巨石がより重なるようにできています。
ここは、それぞれ男岩、女岩とも呼ばれています。
常に女性のみが入場することができた御嶽の中において、男性的なエネルギーの象徴として男岩と言われていたのではないかと思います。

この三庫理をくぐり終えると、左手にある茂みの中から、海に浮かぶ久高島が見渡せます。

 

久高島が見えます!

深いグリーンの茂みの中から、スカイブルーの海に浮かぶ遠き白い島を見るとき、なぜかホッとさせられます。
そこから望む景色は、渡ることを許されない神の島にそっと手を合わせる女性たちの想いに重なるかのようです。
その愛しさと憧れにも似た感情は、過ぎし日のことを呼び覚まします。
神女となったために、女性としての全うできなかった思いの数々をも、茂みから眺める神の島が包み込んでくれるような安堵感が沸いてきます。

 

もしあなたが女性なら、遠き古の琉球の地に縁ある魂なら、久高島を眺める想いに心寄せることができるかもしれません。

最大の聖地と詠われる場所は、崇高な気持ちにさせてくれる心の聖域なのです。

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