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荒ぶる神と英霊が鎮座する大和神社 奈良のパワースポット探訪

大和神社1
 
国道169号線とJR桜井線の間、古き町並を今も残す奈良県天理市新泉町に、森に囲まれひっそりとたたずむ大和神社という神社があります。

昔は伊勢神宮に次ぐ社格や社領を有していたとのことですが、私が訪れた日には参拝客の姿もほとんどありませんでした。かろうじて往時を偲ばせるのが、一の鳥居から本殿へと真っ直ぐ続く大きな参道くらい。

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現在ではほぼ忘れ去れた感の強い大和神社ですが、御祭神はかつて伊勢神宮の御祭神・天照大神とともに宮中に祀られていたといわれる倭大国魂神。そのあまりの神威に時の崇神天皇が宮外に祀らせたのが大和神社の始まりとされています。

 

旅行安全祈願のパワースポット

大和神社2

本殿は三つの社殿からなる宮中三殿式で、中央に倭大国魂神、左右の社殿にはそれぞれ八千戈大神、御年大神が祀られており、拝殿からわずかに覗き見ることができます。

奈良時代には遣唐使が参拝し航海の無事を祈願したとのことから、旅行安全祈願が現在もっとも盛んだそうです。

またコンパクトな境内ながらも、雨を司る高龗大神を祀る高龗神社をはじめ多くの摂社・末社が存在する大和神社ですが、その中でも異質なのが祖霊社です。

 

戦艦大和ゆかりの神社

大和神社3

「戦艦大和 ゆかりの神社」という、境内でもひと際目を引く石碑の横に鎮座する祖霊社。なんでも先の大戦で撃沈された戦艦大和ならびに第二艦隊戦没者が鎮まる末社とのこと。

そう、この大和神社と戦艦大和は因縁浅からぬ関係のようで、戦艦大和艦内には大和神社の祭神が祀られていたそうで、その縁から戦没者2736名の英霊が氏子崇敬者とともに国家鎮護の神として合祀されているそうです。

さらに、参道をはさみ祖霊社の向かいには戦艦大和関連展示室という建物があり、戦艦大和の巨大模型が3基と精密画が展示されていますが、これらは実物の戦艦大和の設計に携わった方が製作したそうです。

 

閑散とした佇まいに心惹かれて

近くにある日本屈指のパワースポットとされる大神神社は、平日でも熱心な参拝者や観光で来られた方で賑わっていますが、この大和神社は例年4月1日に執り行なわれる「ちゃんちゃん祭り」という大祭を除いては、参拝する方の姿もまばらで終日閑散としています。

しかし、天照大神と並び祀られていたものの、今やすっかり忘れ去られている神・倭大国魂神が紆余曲折を経て辿り着いた地でもある大和神社。荒ぶる神が何事もなく鎮座し、戦艦大和とともに戦死なされた方々が静かに祀られているのですから、パワースポットでなかろうはずもなく、むしろその閑散こそが相応しく思われました。

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