カップルでの探訪がオススメ。若草山頂上の天国に近いパワースポット「鶯谷古墳」
奈良公園の東部にあり有数の観光スポットでもある若草山。毎年1月末に行われる、東大寺と興福寺による寺領争いに端を発する雄壮な山焼きが有名です。
山焼き後、若草山は一時黒々とした山となりますが、私が訪れた4月には「ノシバ」と呼ばれる緑の芝が山を覆っており、美しい稜線を描いていました。
3重の層から成る若草山
若草山は標高342mの低山ながらも、3重の層からなり登るのもそれなりに労力を要します。入山ゲートから1重目頂上までの登山道は整備されているものの、出だしからかなり急な階段が待ち受けていました。
1重目頂上から2重目頂上までの登山道は、地道による急坂を登っていかなくてはならず、体力に自信のない方には少々キツいかもしれません。
しかし、2重目頂上からの眺めは絶景。眼下に東大寺大仏殿を見下ろせるばかりか、奈良市街、果ては奈良盆地一帯を見渡せるではありませんか。
さらに夕暮れ時の時間帯とあって、生駒山系へと沈んでいく夕日がとても美しく、時間が経つのも忘れ一心に眺めてしまうほどでした。
急すぎる階段に膝が震えます
夕日を背に、2重目頂上から3重目頂上へと向かう道はなだらか。しかし、最後には整備されているとはいえ急な階段が待ち受けていました。
その階段を息も絶え絶えに登っていると、左手に小高い丘のようなものが見えてきたのですが、とりあえず3重目にある展望台へ。
若草山3重目から見える景色もやはり絶景で、奈良奥山ドライブウェイから車で上がって来られた方や、鹿たちで展望台は賑わっていました。
この旅の目的は鶯塚古墳
今回の目的地はこの展望台の背後にある先程見た小高い丘のようなもの、そう、鶯塚古墳なのであります。
鶯塚古墳は全長103mの前方後円墳です。特筆すべきは標高341.8mの地点に築造された古墳であること。日本でも有数の「天国に近い古墳」ということになります。
内行花文鏡といわれる銅鏡や各種埴輪類も数多く出土しており、当初は4世紀末に築造されたのではないかと推定されていましたが、現在では滑石製品が出土したことにより5世紀初頭ではないかという説もあります。
枕草子にも登場する鶯陵
古墳後円部には、東大寺の僧・康訓により1733年に建てられた「鶯陵」と記された石碑があり、清少納言による平安文学の傑作・『枕草子』に記されている「うぐひすのみささぎ」とはここですよ、と記されています。
石碑からの眺望もなかなかのものですが、やはり若草山で一番空との距離が近いということもあってか、この地点から空を見上げていると、とても強いパワーを感じました。
霊験あらたかなパワースポットに続々人が?
かれこれするうちに夕日が完全に沈み、辺りはすっかり真っ暗になってきましたが、人足は途絶えるどころかむしろ増えてきたではありませんか。
それもそのはず、この若草山山頂から見渡せる夜景は新日本三大夜景に認定されているから。展望台のあちらこちらでカップルの姿が。
今回訪れた鶯塚古墳はパワースポットとしての知名度は皆無ですが、日本でも有数の高地にある前方後円墳であること、そして何よりも古墳前方部から奈良の街を見渡せる美しい夜景、どうやら恋愛パワースポットであることだけは間違いないようで、恋人や配偶者の方と来られることを強くオススメします。