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光と闇とが混在する場所、奈良県「龍神神社」参拝レポート

日本最古の道と言われる山の辺の道を、奈良県桜井市にある大神神社から天理市方面へと向かっていると、日本最古社を謳う龍神神社の看板に出くわします。

 
奈良 龍神神社
 
日本最古を謳う神社としては大神神社、三重県の熊野にある花窟神社が有名なのですが、こちらの龍神神社もその一つのようです。

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一の鳥居をくぐると池があり、この池を迂回するように進むと二の鳥居とともにもう1つの池が現れ、対岸には龍神神社の本殿が日本屈指のパワースポット・三輪山を背に、こじんまりと鎮座しているではありませんか。

 
奈良 龍神神社
 
紅葉が色づき始めた頃にちょうど来れたようで、紅葉のフレームワークの中に、池に映し出された朱色の鳥居と本殿が収まるという、神秘的な美しさを漂わせる光景が広がっていました。

 

季節によって違う表情を見せる龍神神社

梅雨の季節には紅葉に代わってアジサイが咲き乱れており、季節によって色合いが異なる美しさを堪能できる場所でもあります。さらに濃霧が発生した日には、霧が立ち込めた先にある本殿の姿を見ていると、まるで異世界に迷い込んだのではないかと錯覚するほどです。

 

龍神神社拝殿

拝殿は本殿から池を挟んだ真正面にあたる普通の家屋の中にあり、誰も居られませんが入るのに気を使います。

 
奈良 龍神神社
 
御祭神や御由緒など詳しいことは分からないのですが、看板に表記されているところによると、八大竜王および弁財天が御祭神だと思われます。

八大竜王は仏教教典の法華経に登場し雨を司るとも言われています。一方、弁財天はヒンドゥー教の女神が仏教の、とりわけ密教に取り込まれた女神であり、「七福人」の一神として神社などでも祀られる神ではありますが、どちらにしても仏教色が濃厚な神社のようです。

 

冷気の漂う場所に安置された小さな像

拝殿からさらに先に進むと、水子供養のための地蔵菩薩像がたくさんあります。

 
奈良 龍神神社
 
さらに奥に進むと稲荷社があるのですが、そこにはこれまた大量の弁財天や龍神かと思われる小さな像が安置されています。

 
奈良 龍神神社
 
日中でもほとんど日差しが入ってこない場所にあるせいか、一段と冷気が漂う場所のようで、目の前にある奇景と相まってただただ戸惑うばかりでした。

 

ガイドブックには掲載されていない不思議な場所

この龍神神社は、山の辺の道を紹介する数あるガイドブックからは除外されており、記載がないためか多くの方々が立ち寄ることなく先を急がれるようです。

はっきりとした御由緒も分からず、正直なところパワースポットであるかどうかも私には分かりませんでした。

ただ、多くのパワースポットで感じることのできる荘厳さ、清浄さというものよりは、神秘的な美しさを漂わせる本殿の光景を「光」とすれば、奥まった場所にある稲荷社とたくさんの弁財天像が並ぶ奇景は「闇」を感じさせ、光と闇が混在する場、と言えばよいでしょうか。

もし、山の辺の道に来られる機会があれば、素通りすることなくこの龍神神社を訪れてみてください。その場にある混沌とした空気を味わってみることは、とても貴重な体験になると思いますので。

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