パワースポット探訪:太古のままの自然に神聖を感じる仙台・鬼首温泉
義経伝説の中にも登場する鬼首温泉郷には、吹上温泉、神滝温泉、轟温泉、宮沢温泉、神滝温泉など複数の温泉が点在しています。
鬼首は、鳴子に始まる有名な温泉郷をいくつも通りすぎ、その姿を山間の奥地に現します。
間欠泉なる15分毎に高さ10メートルほども噴出す「弁天」「雲竜」は観光客も訪れるほど有名です。
鬼首の北には、荒湯地獄と言う野湯で人気のある場所があります。
そして地獄谷と言われる100℃もの湯が湧き上がる一帯は、湯気が道を照らします。
鬼首と言えば地熱発電所もあるほど地熱の高さが特徴的と言えるでしょう。
鬼首の敷地内では身体に異変が起こることも
鬼首は全体が、パワースポットとも言われています。
山間の木々の中を抜けてゆくとき、地熱の高さからか、ふと身体の軽くなるような錯覚を覚える人もいて、鬼首の敷地に入ったことに気づきます。
温泉郷の中にいるときはとても眠くなることもあり、抗いがたい自然の神秘を感じずにはいられません。
その吹き上げる間欠泉からさらに山間に位置する場所に、滝から出でる秘湯があります。
裾をぬらし、石砂利を踏みながら滝湯に入ってゆくとき、荒々しい自然の恵みを肌に触れて感じられるものは、人の世界の何ものにも値しません。
リゾート地とは一線を画す鬼首の温泉宿
湯を温める術がないために、冬季は寒さから滝湯につかることはできないそうです。
暖かいその流れ落ちる出湯をながめるとき、何か大きな懐に抱かれてるような感覚になるのではないでしょうか。
周りは温泉街とはかけ離れた自然豊かな山間の奥地にぽつねんと、たたずむ温泉宿です。
そこでもてなされるものは、一日八組という質素な営みです。
何ものにも代えられない、その場所にしかないものをひとつひとつ丁寧にかみ締めるようなその温泉宿での時間は、多く与えず払わず自然と共生することを実感するかもしれません。
自分の中の神聖が浮かび上がる場所
露天で湯に浸かりながら流れ落ちる滝を眺めていると、鳥や木々のざわめきの中に、神聖なるものの存在を感じることでしょう。
滝の流れ落ちる場所、きっとそこにはこの自然の主がいるのではないでしょうか。
きっと誰しも、龍の口から流れ落ちるような滝を見ていると、いつのまにか自分の中にある崇高な己の存在を思い出すのです。
社会や、数多くの「自分」という外側での役柄から離れる時、忘れかけていた自分の中の神聖が、滝の出で湯から現れる龍と共に空に登っていくような開放感を覚えることでしょう。
昔のままの自然が息づく鬼首
遠き歴史の中からも、その存在を覗かせた山間に今も変わらぬ自然を大切に守る場所、鬼首。
時が止まったようなその場所に、ただの人となって佇むとき、あなたは何を見るのでしょう。
遠く忘れかけていた、時の源流に身を任せてみませんか。
あるがままのあなたが、湯煙の中に生まれることでしょう。