金縛りの裏にあったのは祖父母からの挨拶。嬉しいけれど少し寂しい
小さな頃からなんとなく自分には霊感めいたものがあると感じていました。
周りの人からもそう言われていました。
遠い記憶をたどってみると、仏間の隣の部屋で寝ていた幼少期、夜中に仏間から線香の煙のようなものが見えたり(夢だったのかも?)、小学生の頃いつも一緒に寝ていたぬいぐるみから心変りして違うぬいぐるみと寝るようになったら、以前のぬいぐるみが夢に出てきて「最近一緒に寝てくれないんだね」と言ったり。
なんだか不思議な気分になることがたまにありました。
金縛りにあったのですが
私が23歳の頃、祖父が亡くなりました。
祖父は私が小さいころとても可愛がってくれていました。
でも、思春期以降の私は祖父に対して冷たい態度ばかりとっていたような気がします。
祖父が亡くなった時もそれがとても心残りでした。
そして祖父の49日の日、夜に金縛りにあいました。
それまで経験したのとは全然違う、とても強い金縛りでした。
横に何かの気配を感じてやっと首を動かすと、着物を着た男の人が見えました。顔は見えなかったけど「おじいちゃんだ!」と思い「おじいちゃん?」と聞くと笑ったように見えてこくりとうなずき、窓の外へ消えていきました。
直後に私の金縛りもとけたのです。
おじいちゃんが最後の挨拶に来てくれたんだと思いました。
祖母の時にも同じような現象が
祖父を亡くした後、何もしてあげられなかったことが心残りだったので残された祖母にはいろいろしてあげたいと思いました。
私が結婚してから子供たちを連れて帰ると祖母はそれはそれは楽しみにして、ひ孫たちを可愛がってくれました。
が、その祖母も5年前、92歳で亡くなりました。
脳内出血で倒れ、意識不明になった2週間後、静かに息を引き取りました。
大往生だ、とか本人はそれほど苦しまなかったんだから、と周りの人は言いましたが、実家に帰ってももう祖母はいないんだとおもうと言い知れない寂しさが胸に広がりました。
祖母の葬儀の後、すぐに私は自宅のある県に戻りました。
そして祖母の初七日の日、夜中に金縛りにあいました。
祖父の時のような感覚でした。
すると耳元に「おやすみだよ~。もう、おやすみだ~。」という懐かしい祖母の声が聞こえました。
私ははっ!としました。同時に金縛りはとけたのです。
祖母も挨拶しに来てくれたんだと思うと嬉しかったけど悲しくて泣いてしまいました。
大切な人を失うのは本当に寂しい事です。
でも、その人たちはもしかしたら私たちのずっとそばにいて見守ってくれているのかもしれないと感じることはあります。
だから、生かされているこの大切な時間を精一杯生きて、いつの日か大切な人たちと再会できるとき、良い顔で会いたいなと思うのです。