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あと2秒遅かったら…。ボクが信号を守るようになったエピソード

不思議体験

 

それは小学校四年の頃の話です。
当時、関西のとある交通量の多い街に住んでおり、濁ったような味の水と、排気ガスの匂いが漂う街だったと思います。
そのころ僕は父から教わったプラモづくりに興味を持っており、その街にはちょうどプラモデルの専門店の小さなお店があったのをよく覚えています。

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危ない道が近くにありました

その近くには大手スーパーもあって、そこそこの賑わいがあったと思います。
しかしそこへ向かうためには、交通量の多い二車線の道路を渡らなければならなかったのですが、子供の時分ではそんなことを気にも留めていなかったのです。
当時、もう一つ大きな事件で、僕の弟が兄弟喧嘩の末、大けがを負わせてしまい、病院に搬送された事の方が気にかかっていたのかもしれません。

 
その搬送された病院もまた、その交通量の多い道路の向かいに存在していました。
その時の僕は、いつものようにそのプラモデル屋に向かう途中でした。

 

信号無視をしてしまいました

交通量の多い交差点の特徴として、信号待ちとなるとそこそこの時間、そこで待たなければなりません。
当時の僕はその待ち時間が嫌だったんだと思います。
腐った水の匂いと、排ガスが吐き出される道路。気持ちのいいことではありません。
交差点に迫ってくると、信号は案の定、赤、止まれ。歩行禁止。

 
ただその折に思い出したのが、赤信号の最中にこの道路を渡っている同学年がいたこと。
交通量に多少のムラがあること。
タイミングが合うなら渡れる程度の交差点だと、思い至り。
信号無視をしてしまったんです。
それは、いつもプラモデル屋へ遊びに行く際、たびたびやらかしていた行動でもありました。その日もいつものことだと、やらかしてしまいました。

 

本当に危ういところでした

今でも覚えています。猛スピードの車が子供の視界に入らないほどの遠くからやってきて、僕はいつものように渡り、そして歩道へたどり着くか着かないかの丁度そのタイミングで、ようやくやってきた車に気付きました。
(あ、僕撥ね飛ばされる)とかそんなことを思っていたと思います。珍しい経験だ。このあとどうしよう。きっと何もできない。
この後起こることが、予知のように幾つも頭を巡ったのですが。
結局、僕の拳一つ分の幅を残して、車が停止していました。

 
僕は咄嗟に歩道へ行くと、謝ろうと頭を下げながら振り返りましたが、車はすぐに向かっていってしまいました。
そのあと、僕は寸前で車が止まってくれたこと、そして後少しでも運転手が判断を見誤っていたら、先ほど思い描いた通りの結末が起こっていたことにゾッとしてしまいました。
たった2秒足らずの出来事だと気づいたとき、僕はその出来事が何時間も長く感じられた瞬間でした。
今思えば、轢かれかけた瞬間のイメージが子供ながら膨大だったからでしょうか。我ながら良く生きているものだと思います。
僕が信号を守るようになった出来事の一環でした。

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カテゴリ: 不思議な体験談

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