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真っ赤に染まった銅像の口元。ぽっかりと穴が開いているようです

不思議体験

 

小学生の頃に体験した不思議な出来事を、未だにふと思い出すことがあります。

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怪談を怖いと思っていませんでした

当時、いわゆる学校の怪談といえばトイレの花子さんだったり夜の校庭で走る銅像だったりと、よくあるオーソドックスな話が大変多く、それらを題材にした児童向けの本なども沢山出版されていたような時代でした。とはいえ小学校も高学年ともなれば、私自身も周囲も含め誰も本気で怖がるようなことはありませんでした。

 

銅像の顔がいつもとちがいました

そんなある日、中庭の花壇を使っての理科授業が行われ、昇降口で靴に履き替え中庭へと向かうことになりました。
やがて授業が終了し、友人二人とおしゃべりに花を咲かせながら昇降口へと続く道を曲がる途中、ふといつもは見ることもない正門傍の小さな銅像、正しくその銅像の口元が瞬間視界に飛び込みました。何故ならその口元が赤かったのです。

 
血の色とかそんな怪談らしい色ではなく、ただただ原色の赤。
それが口元部分のみ、ぽっかり丸い、赤い何かが確かに見えたのでした。
さらに不思議なことに、それは私の両隣を歩く友人二人も同時に視認していたのです。
瞬間おしゃべりが止まり、ちょうど曲がり角であった為にあった壁の影に3人で即座に隠れました。

 

誰にも信じてもらえません

「何!?何!?今の何!?」「見た!?見たよね!?」「赤かった!赤かったって!」と3人で何故か必死に隠れながらも小声での大騒ぎ。
他のクラスメイトはというと、私達3人がゆっくり喋りながら歩いていたこともあり、既に全員教室に戻ってしまっていました。
わけがわからない状況に驚きと若干の怯えも交えながら、3人でそっと壁から銅像の方を再度覗いてみることに。
そうしてそっと伺い見た銅像の口元は何も変わらない、ただの銅像の口元でした。
「何だったんだろう…?」と、3人共が唖然としながらもとりあえず教室に戻りました。

 
目の錯覚?何か風で飛んできたのを偶々見たとか?花びらとか?
その後も3人でそんな話をしつつも、結局は解決せず。また、「銅像の口元が~」なんて話を他のクラスメイトに言ったところで、いかにもよくある怪談話に聞こえるだけで真に受けてもらえるわけがないと自分達でも理解していた為、そのまま特に他の誰かに言うこともありませんでした。

 

錯覚だとは思えないのです

ただ今でも時々思い出しては不思議だなぁと思ってしまうのです。
目の錯覚ならば、3人共が目撃しているのがおかしく。
何かが飛んできたというには、丸い赤は本当にきっちり正円といった丸さで、またその赤もあまりに原色無地の赤色すぎて、飛んできて口元に付着するには立体を感じさせず、何か不自然に感じます。
そして近くの花びらでも付着していたかというと、その時季節は冬で周囲に花も無く、またやはり窪みも色の濃淡も感じさせなかったあの丸い赤は、自然物には到底思えませんでした。

 
そうしてその後、あの丸い赤が何だったのか判明することも無ければ追求することもありませんでした。
小学校高学年とはいえ、即座に周囲の花の有無まで確認していた自分自身の行動も少し不思議であり、また同時に普段は見ることなどまずない銅像を、どういうわけか3人が目にしていたということ。
大人になった今、丸い赤が何だったのかと不気味さよりよりも、それに纏わる自分達の行動がただひたすら不思議な現象だったなと、そう感じている幼少期の不思議な思い出です。

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カテゴリ: 不思議な体験談

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