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うちの猫が見ていたものは何?猫特有の不思議な行動の魅力と謎

不思議体験

 

鍋島の化け猫や、三味線にされた恨みに化けて出る猫、アラン・ポーの黒猫等、猫系の怪談は時代を超えて語られます。
深夜に発情したり喧嘩したりしている猫の鳴き声を聞くと、確かに何かこの世のものではないものと対話をしてるようにも感じます。
そのくせ、甘えてきたりエサをおねだりするときの、肉球でトントンと叩いてきたり、じーっと物欲しげな目で睨んでくるときの猫の可愛さと言ったら、どんなに気持ちが落ち込んでいる時でも思わずニンマリと和んでしまうほどで、いつかは飼ってみたいと思ってました。

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突然うちにやってきた一匹の猫!

そんな思いを何度か嫁にぶつけようかと思ったものの、人一倍倹約家の嫁のこと。予防接種やエサ代などを理由に絶対に首を縦に振るとは思えず、半ば諦めていました。
一緒になってかれこれ20年が過ぎたある日、そんな嫁が、どういう気の迷いか、突然1匹の子猫をもらってきました。
予防接種と避妊手術の分を払っただけだそうです。
エサもしっかりと買い揃えてきました。
いかにも昔の怪談ものに出てきそうな見事なまでの黒白茶の三毛猫ですが、きょとんとした表情で見上げられるだけで、やっぱりキュンとします。

 

なかなか猫に触れるチャンスがありません

けれどなかなか猫といちゃつく機会がないです。
家は、居間、台所、寝室が全て2階にあり、そこが家族の生活の基準空間でした。
当然猫も一緒にいます。

 
帰宅すれば飯も食わずに自分の部屋にて寝て、起きれば飯も食わずに出勤する。

 
ちなみに自室は1階。
夏は毛布、冬は炬燵に潜って、まるで家庭内別居のように過ごしています。
家族と一度も顔を合わせないまま1日が終わる、なんてことも週に何日もあります。
先日退院した直後からは、やたらと首から肩が思く、気分的にもかなり落ち込み、この年にしてなおさら引きこもり気味になっていました、
まるで病院から何か背負ってきたのかと思うぐらいでした。

 

猫がやってきて生活が変わりました

部屋のドアも、鍵こそないものの、常に占めたまま。もちろん家族が用事があって入ってくることは普通にあり、それはそれで普通に対応してましたが。
退院から3ヶ月も経ちそんな気持ちもようやく少し落ち着いてきた時にハル(遅くなりましたが、これが子猫の名前です。)が来ました。
おかげで今では全く逆で、居ないときには下手に部屋を悪戯されないように閉めて、居る時にはいつでもハルが入って来れるようにほんの少しだけ開けてあります。

 
そんなある日、まだ見ぬ1階を探索しようと、扉の隙間から恐る恐る入ってきたハル。

 
部屋の隅々まで匂いを嗅いで回る仕事を飽きることなく眺めていたうちに、忘れかけていた睡魔を思い出しました。
「そう言えばハルはどこで寝るんだ?」
ハルを寝かせるべく抱きかかえて寝室に入って、すでに寝入っている家族に「ハルの寝床ってどこだ?」と声をかけるが、誰も起きてこない。
仕方なく抱きかかえたまま自室に戻って、再び部屋の探索を続けるハルをよそに、電気を消して炬燵に潜り込む。

 
ようやく探索に飽きたのか、あるいは寒さに耐えられなくなったのか、暖かい炬燵の中に潜ってきて、自分の左腕と体の間に潜り込むとようやく落ち着いて眠りにつく。
「やっぱ猫ってかわいいなぁ」と初めて肌でその実感に浸りつつ、自分も一緒に眠りにつきました。

 

何かに向って威嚇しているようでした

けどほどなくして、グルグルと唸るような音に浅い眠りから引き戻される。
つい先ほどまで潜って寝ていたハルが、いつの間にか枕の空きスペース、自分の顔のすぐ横に座って、ひたすら天井を見上げて唸っている。
幽霊や霊感など話半分にしか信じてはいない自分は、それでも、はるに怯えた様子もなくむしろ座る姿も毅然として、怯えるどころかむしろ何かを威嚇しているかのようにすら見える。
そんなハルをひと撫でするだけで再び睡魔に負けて目を目を閉じてしまう。

 
しばらくすると唸り声も止み、やたらと人の顔を舐めてくるその表情は、まるで野良犬を追い払って子猫を守った母猫のように優しかった。
「お疲れさん」そう言って再び撫でるとすごすごと炬燵に潜って寝てしまう。

 
翌朝、しつこく鳴る目覚ましを不思議そうに見下ろすはるの姿と、夕べの毅然とした姿とのギャップに、昔から語り継がれている猫の秘めたる力は間違いなくあるな、と確信しました。

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カテゴリ: 不思議な体験談

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