トンボを捕まえたボクに訪れた怖くてちょっと悲しい出来事。あれは幽霊?
私が小学生の頃の話です。
私の実家は山と田んぼに囲まれた田舎にあります。
実家の窓から見える景色は見晴らしが良く、とてものどかです。
秋になると田んぼの上を沢山のトンボが飛び回ります。
今では虫は好きではありませんが、田んぼの上をトンボが飛び回る景色は風情があって好きでした。
トンボを捕まえるのが好きでした
まだ小学生だった私はよく虫取り網をもって庭の上に飛んできたトンボを捕まえていました。
トンボの動きは他の虫と比べてのんびりだったので捕獲しやすかった気がします。
ある日、いつもと同じように虫取り網でトンボを捕獲していました。
ただその日はなんとなく虫取り網をぶんぶんと振り回していました。
ぶんぶん振り回しているうちにトンボが網の中に入るのが面白くてやっていたんだと思います。
そのうちにトンボが2匹網の中に入りました。
もっと獲れないかとさらにぶんぶんぶんぶん振り回しました。
振り回したせいで周りのトンボはみんなどこかへ散ってしまいました。
そこで網の中を覗いてみると・・・2匹のトンボが動かなくなってしまいました。
悪気は無かったのですが、か弱いトンボはあっという間に動かなくなっていました。
幼心に大変ショックを受けたのを覚えています
怖くなって網から2匹のトンボをふるい落とすと、走って家の中に逃げ込みました。
次の日、庭に出てみてぞっとしました。
2匹のトンボが!
2匹のトンボが庭の上をぐるぐる飛び回っていたのです。
他にトンボは居なくて、2匹だけちょうど実家の庭の上をきれいにぐるぐる回っていたのです。
急いで昨日死んだトンボの様子を見に行きました。
雑草に埋もれてはいましたが、はっきり動かない2匹のトンボを確認することができました。
怖くなって虫取り網を振り回して、飛び回るトンボを追い払いました。
でもまた戻ってきて庭の上を飛び回るのです。
その時は本当に本当に怖くて仕方ありませんでした。
そこからは記憶が曖昧ですが、丁度父が仕事から帰ってきて、泣きついたような気がします。
トンボはいつの間にかどこかへ行ってしまってました。
お別れを言いに来ていたのかも?
その後も何日か毎日トンボを確認していましたが、庭の上を飛び回るトンボは現れませんでした。
最初は、トンボの幽霊だ!もしくは生き返った!と思っていましたが、もしかしたら仲間の死を悲しんで、お別れを言いにきていたのかもしれませんね。
それ以来、虫で遊んだり捕獲することはなくなりました。
ただ、とりあえず蚊などの虫と対決するときはごめんなさいと言う習慣がつきました。