あの足音は誰のもの?誰もいない舞台裏で起こった不思議な出来事
私が以前働いていた職場で体験した不思議な出来事です。
人が集まるところには霊も集まりやすいと言いますが
私は以前、舞台関係の仕事で照明をしていました。
ホール・劇場といった場所ではよくある話なのですが、人の多くあつまるところには霊が寄って来やすいのだそうです。
また、高い場所にも集まるとも聞いたことがあります。
しかし、私は全く霊感がないようで、一度も霊の類をみたことはありません。
ただし、いるのだと信じているので、心霊話はとても怖いです。
大学生の時に住んでいたマンションに泊まりに来た友人と、別の日に来ていた彼氏が、全く同じものを同じ場所で見たという話を聞いたときは、
背筋が冷たくなったものです。
それほどはっきりと見た人が2人もいるのに、当の本人はそれには気づかず、その部屋に住んでいたのですから、まったく間抜けな話です。
それくらい霊感のない私なので、舞台の仕事をしている時もどうせ見えないのだろうとタカをくくっていました。
いつもと違うホールに行ったときの話しです
しかしある日、不思議なことが起こりました。
当時私は照明の会社に在籍しており、普段は決まったホールで仕事をしているのですが、繁忙期などは別のホールや野外会場などに出向いて普段と違う場所で仕事をすることもありました。
その時は、普段と別の仕事場でした。
と言っても、何度も言っている小さなホールなので、ホールの職員の方々とは顔見知りといった場所です。
午前中から、搬入、仕込みと仕事が進み、午後からリーハーサルを終えると本番が始まります。
私はピンスポットを担当していたので、客席の上にある部屋で照明器具の操作をしていました。
ドラマ等で見たこともあると思うのですが、ピンスポットの機械は大きな大砲のような形をしており、横に座って操作をします。
その為、機体が視界を塞ぎ、自分の後ろや、機械の向こう側はほとんど見えません。
そんな状態なので、リハーサル中に様子を見に来たホールの支配人に声を掛けられて、とてもビックリしました。
本番中は声かけないでくださいね!と冗談を言いつつ、リハーサルを終え、本番に入りました。
ピンルームは両端どちらも出口があり、通り抜けることができます。
本番中にピンルームのドアが開き、足音が近づいてきます。自分の後ろで止まったのですが、ちょうど明かりを照らしているところだったので、振り向くことができず、作業に集中しました。
ピンスポットが途切れるシーンで振り向くと、後ろには誰もいません。
そのようなことが本番中に何度かありましたが、支配人がそっと様子を見にきたのだろうと思っていました。
支配人は来ていかなったのだそうです
本番が終わり、全ての仕事が終わった後、事務所でお茶を飲んでいた時に、本番中のことを思い出し、支配人に「何回遊びに来たんですか?また、驚かされると思ってドキドキしましたよ(笑)」と言うと、支配人はピンルームには上がっていないと言います。
他のスタッフは本番中は各セクションにつきっきりなので、上がってくることはありません。
はたして、あのドアの音と足音は何だったんでしょうか。
空調の影響でたまたま音が鳴ったのかも知れないと信じたいです。