どこも悪くないはずの父がわたしを呼んだ?明け方の民宿で聞こえた「オーイ!」
私の父が亡くなった時に、少し不思議な体験をしました。
父は、90歳の高齢で、どこが悪いと言う訳でもなく、老衰で病院に入院しました。
毎週末に帰省する生活でした
ちょうど、その頃、私は単身赴任をしており、自宅から4時間近く掛かる日本海側のある町に普段は暮らしていました。
父が老衰で入院して以来、毎週週末には自宅に戻り、病院に様子を見に出かけていました。
そうして1ヶ月近く経ったある週末、職場の忘年会で金曜日の仕事終わり後、1泊で海の近くの民宿にカニ料理を目当てに出かけました。
父の状態も小康状態で、すぐに何かが起こると言う事も無いと判断して参加しました。管理職として、できる限り出席する事も仕事の内だと思っていました。
わたしを呼ぶ声が聞こえます
その日は、夕方前から雪が激しく降り、民宿まで普段なら30分の所が1時間半も掛かりました。
カニ料理を堪能し、床に着きました。明け方少し前に、オーイ!オーイ、**と私の名前を呼ぶ声を確かに聞きました。
ふと、嫌な予感はしましたが、眠気が勝り、再び床に着きました。
すると、またオーイ、オーイー、**と言う声が聞こえました。
どことなく、父の声に似ているように感じました。
その声で目覚めてタバコを吸っていると、民宿の従業員が、部屋のドアをノックし、**さんはこの部屋でしようかと、声を掛けられました。
電話が入っていますと言われて電話口に向いました。当時S社の携帯電話は、その民宿では電波が入らず、これが分かっていたので、女房に民宿の電話番号を事前に連絡していたのです。
電話の内容は予想通り父の危篤の知らせでした
電話に出ると、女房からで、お父さんが危篤状態になったので、始発の特急で戻って欲しいとの連絡でした。女房は、その電話をした後、病院に駆けつけました。
民宿の周辺は、大雪で列車が運行されるか心配でしたが、とにかく最寄の駅に車で送ってもらい列車を待ちました。
駅の近くでは、S社の携帯電話のアンテナもようやく3本立っていました。
向こうに特急列車が見え、動いていると少し安心した時、携帯電話が鳴りました。女房からで、父が駄目だったとの連絡でした。
夢心地で聞いたあの声は、やはり父が私を呼ぶ声だったのだと思いました。
心霊現象などは余り信じるほうではありませんが、実際に父の呼ぶ声を聞き、こうした不思議な現象があるのだと感じました。
高齢で、治る可能性は少ないと覚悟を決めていた事もあり、入院をしていた1ヶ月近く、父の夢を見た事もありませんでした。
それが、亡くなった明け方に、父との思いでの夢ではなく、父が呼ぶ声を聞くなんて、それが夢でも、人間には科学では計れぬ何かがあるのだと強く感じました。