春の北海道で見たのっぺらぼうの女。子供の錯覚だったのか?それとも?
私の不思議体験は「のっぺらぼう」を見た事です。
年齢はまだ4歳くらいでした。
春の北海道のお話です
北海道の春はまだ寒かったけれど、一人で元気にローラースケートをしながら遊んでいました。
しばらく家の周りを走り回っていましたが、だんだんそれも飽きてきて、他の遊び道具は無いものか、気になりだしました。
父親が大工だったこともあり、家には沢山の工具や木材、それに作業場があり、子供が遊び道具を見つけるにはもってこいな場所でした。
早速私はローラースケートを脱ぎ、家の作業場へ向かいました。
時間はまだ日中の16時くらいで、外はとても明るい状況でしたが、作業場はあまり窓が無いのと日陰になっていたため、日中でも電気をつけないと真っ暗な場所でした。
子供の私は、何の迷いもなくそんな真っ暗な作業場の中に入り、遊び道具の入った箱や引き出しをあさり始めました。
違和感があります
しばらくすると何か不思議な違和感を感じ始めました。
あれ、犬でも迷い込んでいるのかな、そんな割とありきたりな予想を立てて、作業場の奥へ足をすすめました。
すると自分の目線に足の甲が見えました。
全く予期しないものが目の前に映っています。
私は全くの放心状態でだんだんと視線を上へと移して行きました。
宙に浮いています
裸足で赤いスカート、黄色い上着の女性が空中に腕組みしながら浮かんでいることを確認しました。
そして顔は、何も無いのです。
目も鼻も口も。
顔のパーツが全く無く、私はあっけに取られてどのくらいの時間なのかわかりませんが、ややしばらくの間、その「のっぺらぼう」の宙に浮いた女性を眺めていました。
少し経って、ようやくそれが「あり得ない存在」であることに気付き、飛び上がって叫び声を上げて、全力疾走でその場を立ち去りました。
恐怖と驚きのあまり、言葉にならない声を出して、母や父の名前を呼びながら、助けを求めていました。
家族と一緒にあの場所に戻ると…
家にちょうど居た母に飛びつき、「のっぺらぼう」が作業場に居たこと、腕組みしながら空中に浮かんでいたことを泣きじゃくりながら伝え、もう一度一緒に見に行ってくれるように頼みました。
母は完全に信用しておらず、笑って見間違いであることを主張していました。
そして母と二人でもう一度作業場に入り、「のっぺらぼう」を見た場所へ案内しても、既に居ませんでした。
夜になり父が帰ってきて、その事実を伝え、子供の頃は比較的オカルトが好きだった私は、作業場は昔誰かが死んだとかそういった事は無かったのかなどを質問しても、そういった事実は無いと伝えられて終了となりました。
そして、それ以来、そののっぺらぼうは一度も見る事はありませんでしだ。
幻覚にしてはあまりにもはっきりと目に映ったし、でも幽霊でのっぺらぼうなんて居るのか?そんな疑問もあり、それから30年以上経ちますが、あれが何だったのかわからずじまいのままです。