言葉として表現するのが難しいカップのクイーン。その性質は…?
感情と横の繋がりや共有を指し示すカップにおいて、クイーンは特に人との繋がりを幅広く求めます。
カップが象徴するのは主に感情で、タロットカードにおいて、感情は水に例えられます。
水は流れが止まらない限り末広がりに延々に広がり続けます。
カップが象徴しているのは、感情を指し示す水そのものよりも、その水がどんな器に収まっているのかという部分です。
器とは、この場合コミュニティやグループ、などの様々な感情が流れる場所や環境です。
小アルカナのカードにおいて、カップの数が多ければ多い程、器のサイズはより個人的なサイズになってきます。
カップの10のカードであれば一つ一つの感情は個人というサイズに収まった集合体なので、そのカップの種類やデザインに統一性があるのであれば同じ感情やエネルギーを共有できる、またはできているという意味合いになります。
簡単に言えば個人が尊重された中で大きな一つの輪として調和している。ということになります。
人物カードとしてのカップのクイーン
人物カードにおいて、カップのカードが指し示す感情というのは、視覚的に見えない上に常に当たり前に存在している要素のため、いざ言葉や明確な何かとして表現しようとしたときに難しいカードでもあります。
特にクイーンのカードは、他者との繋がりを求め、広げ、どんどん広がっていこうとするので、どこで収まりをつけるのか、どの方面に向かうのか?といった水路を予め決めておかないと、のちに行動を起こすナイトの場面で、結局どこで行動を起こしたらいいのかわからなくなってしまう可能性を持っています。
選択と可能性を広げるクイーンの場面において、カップのクイーンはキングから手渡された感覚的なものを元にして、持ち合わせたアンテナを元にしてその感覚が流れる場所を探ります。
カップのクイーンのカードは人物的に見れば、非常に打ち解けやすい人物を指し示す場合が多く、多方面、多角的な分野において好印象を与える才能を持っています。
反対に言えば、その場に馴染みやすいので例えばソードのクイーンやコインのクイーンのような軸や信念が弱く、その場その場において心や目的が移り変わる可能性があります。
これが属性と方向性の違いで、コインやソードは成長や達成を求めるのに対し、カップとワンドは満足を求めます。
満足感という感覚はその場でしか味わうことのできないライブな感覚です。
コインとソードが未来を観るなら、ワンドとカップが観ているのは今です。
カードとして観るカップのクイーンは話が広がる、同じ感覚や感情を共有するコミュニティや環境仲間が広がって行く、好印象で幸先が良い、満足感などを表します。
人物として見るカップのクイーン
人物として見たカップのクイーンは、まず天才的な好印象を与える才能を持っています。
人当たりが良い、輪の中に積極的に入っていく、感化されやすい、情緒豊かな人物、感受性が強く霊的な感覚が鋭いなどです。
逆位置として出てきた場合、本来持っている好印象を与える才能が発揮されておらず、その要因として、流れず溜まった水のように、自分自身の循環が上手く行っていない可能性や問題を抱えている人物を指し示します。
または、八方美人で軸が無くその場に流される。満足感が得られない、感覚的に鈍い、空気を読めない、落ち着きが無く凡ミスが多いなどの人物を指し示します。
カップのクイーンが持つ性質
カード全体が持つ役割としては、受容性の高さを前提として感情の深さを意味し、それは愛情であったり、母親のような育む意識であったりと相手次第でいくらでも変化する器用さを持っています。
感情的な可能性と選択肢を広げる一環として霊的な感覚の鋭さや深さ、才能を表し、それはヴィジョンを見たり、予知能力として兼ね備えている場合があります。
人から受け入れられやすい雰囲気や空気を持つことも特徴です。
逆位置として出た場合、行き着く場所が無く、彷徨う可能性のある流動性をもっています。
また器から離れるため、形や環境があるところやものから離れる、妄想に走りあまりにも夢想的で、収まる場所から離れるという意味合いから盗難を指し示すこともあります。
自主性が無いということは独りになると常に不安定なきもちにさらされますので、安定感もありません。