小アルカナの構成と意味、象徴するもの~タロットカード詳細解説2
ここでは、小アルカナカード(マイナー・アルカナ)についてご紹介してみましょう。
小アルカナは、大アルカナの22枚よりも倍以上も多く、56枚のカードで構成されています。このカードは、さらに40枚の数字のカードと16枚の人物のカードに分かれています。
小アルカナカードは使いこなすのが難しく、初心者がタロット占いを始めるときには、まずは大アルカナカードのみを用いてやってみたほうが良いと書かれているものもあるようですが、このカードはトランプの元となったと言われるように、一方では逆に馴染みやすいカードかも知れません。
小アルカナの4つのスート(組)
トランプのカードがスペード、クラブ、ハート、ダイヤと4つの組に分かれているように、小アルカナでは「剣」「杖(棒)」「聖杯」「金貨(硬貨)」の4種類の組に分かれています。この組のことを「スート」と言います。
スートはそれぞれに異なる意味を持っており、簡単には次のように表されます。
剣(sword)
剣は力の象徴であり、また金属加工技術によって作られた道具ですから、知恵や進歩の象徴でもあります。そこから強い意志や信念、挑戦などを表しています。
杖または棒(wands)
杖は木の棒であり、時には体を支え、攻撃や防御の道具ともなり夜には松明ともなります。つまり原始的ですが使い方次第で様々な用途に使える道具であり、臨機応変な行動性を表すものです。
聖杯(cups)
聖杯は生命の水を注ぎ、精神と肉体、理性と感情など相対するものを調和させます。そこから、純粋な心や感情と、それらをコントロールしたり揺さぶったりすることを表します。
金貨または硬貨(coins)
金貨はまさに物質的な価値の象徴です。金貨には五芒星(ペンタクル)が描かれ、それは人間の営みを表しています。金貨はつまり、実りや繁栄を表しているものです。
コート・カード
小アルカナには、それぞれのスートごとに1から10までの数字のカードと人物のカードがあります。数字のカードは「ニューメラル・カード(ニューメラルは数字の、という意味)」と呼ばれ、人物のカードは「コート・カード」と呼ばれます。コートは「宮廷」の意味で、宮廷にいる4人の人物のカードというわけで次の4枚からなります。
ペイジ(Page)従者または見習い騎士
ペイジは従者や召使い、小姓、見習い騎士などと訳されますが、描かれているのは若い男性です。4種類のスートではそれぞれ違った服装をしており、将来の様々な可能性を秘めた者を象徴しています。占いでは男性のみではなく、若い男女を表します。
ナイト(Knight)騎士
ナイトは青年であり、4枚すべて馬にまたがっています。この馬はそれぞれ種類が異なるそうで、剣はサラブレッド=競走馬で行動性を、杖はアラブ=能力が高く勇猛果敢さを、聖杯はドレッサージュ(競技馬)=美的センスを、金貨はシャイアー(農耕馬)=穏やかで力強さを、表しているとも言われます
クィーン(Queen)女王
クィーンは権力とともに、美しさや優しさ、包容力と聡明さなどを兼ね備えた成熟した女性です。剣は意志や判断力、杖は知的で臨機応変、聖杯は感情の豊かさ、金貨は堅実で家庭的と、4種類のスートごとにそれぞれの表すものを持った女性であると言えます。
キング(King)王
キングは実力と権力を持ち、威厳ある成熟した男性です。こちらもクィーンと同じく、4種類のスートごとにそれぞれの表すものを持った男性となります。