塔・星・月・太陽・審判・世界・愚者の解釈~タロットカードの意味3
前回に続き、大アルカナ22枚のカードの意味を簡単に紹介していきます。
なお、カードの詳しい意味については、カードに付属している解説書やタロット占いの専門書で解説していますし、インターネットの色々なサイトでも紹介されています。ただ、それぞれの解説では表現に多少の違いもあるようですので、ここでは代表的な解釈に加え、私の独断でそうかなと感じるものも多少交えて、ごくごく簡単に紹介させていただければと考えています。
16. 塔
このカードに描かれた塔は聖書に出てくるバベルの塔です。塔は神の怒りの稲妻によって先端を打ち砕かれ、人が落ちて行きます。バベルの塔は人間の傲慢の象徴であり、これまでの間違った野心やおごりなどによって築かれた塔は、突然に崩壊してしまうことを示しています。同時にその試練や失意を教訓として改心し、新たな転換をする必要があることも表しています。
17. 星
星のカードには、両方の手に持った壷から大地と水面に、生命の水を注ぐ女性が描かれています。また、女性の頭上には星が輝いています。星は、旅人が行くべき方向を示す道標であり、希望でもあります。両手から注がれる生命の水は可能性であり、大地と水面に注がれた水はやがて融合して循環し、やがて夜明けが来て、物事の進展や創造がもたらされることを表しています。
18. 月
月は、星や太陽と違い自ら光を放って輝いているのではありません。月は受け身的に物事を観察する意識の象徴であり、三日月や半月といった満ち欠けは変化する未知の状況への不安を表しています。二つの塔のゲートの間に月が輝き、不安や恐怖を感じて狼と犬が吠えるなか、一匹の臆病なザリガニが水辺から伸びる道に行こうとしているのは、物事をよく観察し注意深くまだ見えないゲートの向うへ進むべきであることを示しています。
19. 太陽
太陽はエネルギーと生命力の源であり、絵柄に描かれた子どもはまさに生命力の象徴です。またヒマワリは太陽の光に保護され、その太陽に向かって高い壁を超え成長することを表しています。
太陽のカードは、タロットカードのなかでも最も希望とエネルギーに満ちたカードであり、どんな困難も乗り越えて行けることを示しています。
20. 審判
審判のカードは、聖書「ヨハネ黙示録」の「最後の審判」がモティーフとなっています。最終の戦いが終わった後に死者が復活し、良い行いをした者には祝福が、悪い行いをした者には試練が与えられます。歩んできた過程や物事の節目を迎え、これまでの行いに対してまさにその成果の審判が下されるというカードです。またこのカードには「復活」という名前もあり、新たな目覚めや再出発という意味も表されています。
21. 世界
世界のカードは、これまでの歩みや努力が実を結んで、完成を迎えることを表しています。運命の輪と同じくこのカードの四隅に描かれた天使、鷲、牛、ライオンは、それぞれ風、水、地、火を象徴しているとも、あるいは聖書の4つの福音書を表しているとも言われていますが、それぞれの4つが成長し、知恵の杖を持って中央で踊る女性の完成した世界を見守っています。女性は実は両性具有者ともされ、終わりであると同時に始まりを示すカードとも言われています。
0. 愚者
愚者は、単なる愚かな人間ではなく、物事に先入観や偏見を持たない自由な精神を持った者のことです。愚者は、あるべき姿や状態といったことに縛られ悩む私たちに、本当の姿や幸せなどを教えてくれます。彼は知恵の杖を持ち、身軽な姿で旅立っていきます。このカードは、束縛や執着を捨て勇気と希望を持って新たなスタートを切るべきことを示しているのです。