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ナスカの地上絵が日本で再現された?拡大法の実験の中身とは

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ペルーの乾燥した盆地地域であるナスカ市にあるナスカの地上絵は、当地ではかなり昔から「地上の溝」として認識されていましたが、1930年代に考古学者であるポール・コソック氏によって、巨大絵の存在が明示的に発表されて、世界的に認知されたものであり、今では世界遺産のひとつとして数えられています。

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これほど大きな絵を、いつ何の目的で、誰が描いたのか、またどのような方法で描いたのかは、長い間議論の対象となってきました。厳密には(証拠を含めて)確証が得られたわけではないのですが、「どうやって描いたのか」ということに関しては、近年になって、有力な手がかりとなるような実験が、日本でおこなわれています。

 

巨大な絵は拡大法で描くことができる

実験のお話の前に、巨大なナスカの地上絵を描く際に取り入れられたのではないか、とされている「拡大法」という手法をご紹介します。これは、巨大絵を描きたい場所の中央に、描きたい図柄を縮小した絵柄をまず描き、その縮小図柄の中心に、基点を設けます。そこから、絵柄の線の種類が変わる「切り替え部分(直線と曲線が交わる部分)」にも点を書き込みます。これらの点と基点との距離をベースに、描きたい大きさにそれぞれ距離を等倍していけば、縮小図柄と同じ図柄の巨大絵を書くことができます。この手法だと、基点からの長さを伸ばすことで、いくらでも大きな絵を描くことができますが、問題は「基点から放射状に等倍した直線を、正確に引けるのか」ということですが、この点に関しては、杭を打ち込んでロープなどで結び、その下に絵を描くことで、解決することができます。

 

大学教授と小学生が巨大絵を再現

拡大法を使って、実際に縮小図柄から巨大絵を描く実験が行われたことがあります。実験をおこなったのは、日本の九州産業大学の諫見泰彦氏(准教授、住居・インテリア設計学科を担当されている、とのことです)で、拡大法をベースに、小学校の児童らの協力を得て、小学校のグランドや体育館に、縮小図柄から巨大絵を描く「ナスカの地上絵を再現する実験」をおこない、20回以上も成功させています(この試みは、2009年に測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」としておこなわれたそうです)。これにより、測量の技術(木の杭やロープなどを使った、古代の技術を含む)と、小学生程度の算数の知識があれば、ナスカの地上絵と同じくらい巨大な絵を、正確に描けることを証明したのです。

 

ナスカ絵の真相は未だ不明…

しかし、紀元前200年から紀元後800年頃に、ナスカ文化の一環として書かれたといわれているナスカの巨大絵が、実際に誰によってどのように描かれたのかは、記録が残っていない以上、明確には証明されていません。異星人=宇宙人説もあるなか、誰の手によるものなのかは、今後も議論が継続される、と思われます。

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カテゴリ: その他

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